犬は手紙を書かない

犬は言葉を持たない。けれどその眼差しや仕草は、手紙のようにまっすぐに人へ届く。著者は愛犬との暮らしを通じて、言葉と沈黙、理解と誤解のあわいを見つめる。散歩の途中での小さな出来事、ソファに眠る犬の姿に浮かぶ記憶。ユーモラスに描かれる日常は、同時に人間社会のコミュニケーションの難しさも照らし出す。犬は手紙を書かないが、確かに心を伝えている――その真実に気づいたとき、読者もまた誰かの沈黙を大切にできるかもしれない。

著者 松浦 孝介 / 2025年9月25日発売

書店員のコメント
犬との暮らしから見えるのは、人間が忘れがちな「言葉を超えた伝達」。温かさと少しの切なさを含んだエッセイで、読後に愛犬を抱きしめたくなるはずです。